XLSとXLSXを比較 · FORMAT GUIDE

XLSとXLSXの違い:互換性・マクロ・中身・変換方法を比べる

XLSはExcel 97-2003のバイナリ形式、XLSXはExcel 2007以降のXMLベース形式です。新規作成は通常XLSX、マクロを残すならXLSMを検討します。

最終更新: 2026年8月1日 · 執筆・検証: Karuzip 開発チーム
確認環境: Windows 11、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱エンジン(7-Zip 25.01)

先に結論

新しく作る通常のブックは、原則として.xlsxを選びます。 .xlsはExcel 97-2003向けの古いバイナリ形式です。VBAマクロを残したい場合は、単純にXLSXへ保存せず.xlsmを選び、変換後に動作を確認します。ファイル名の末尾を書き換えるだけでは変換になりません。

XLSとXLSXの違いを、まず1表で確認する

どちらもExcelブックですが、保存の仕組みが異なります。.xlsはExcel 97-2003で使われたBIFF8のバイナリデータをCompound Fileに収める形式、.xlsxはExcel 2007以降の標準となったXMLベースのOffice Open XML形式です。Microsoftも、XLSを開くと互換モードになり、新機能を使う場合はXLSX、XLSB、XLSMなどの新しい形式へ保存すると案内しています。

XLSとXLSXの主な違い
比較項目XLSXLSX
主な世代Excel 97-2003Excel 2007以降
保存形式BIFF8バイナリをCompound Fileに格納SpreadsheetMLなどのXML partsをZIPパッケージに格納
VBAマクロ含められるが、拡張子だけでは有無を判別できない保存できない。必要ならXLSMを使う
新しいExcel機能互換モードでは制限が出る場合がある通常のマクロなしブック向け標準形式
内部確認Workbookなど少数のバイナリstreamとして見えるworksheet、styles、mediaなどを個別のpartsとして見やすい
拡張子だけの変更XLSXには変換されないXLSには変換されない
XLSXの『X』は、単なる新版マークではありません。内部構造そのものがXLSと異なります。見た目が同じ表でも、ファイル名の変更だけで相互変換することはできません。

中身は、XLSがバイナリstream、XLSXがZIP内のXML parts

MicrosoftのXLS仕様では、ブックデータはCompound File内のstorage、stream、substreamに格納され、内容は多数のバイナリrecordで表現されます。一方、XLSXのSpreadsheetMLでは、ブック、ワークシート、共有文字列、スタイル、画像などが別々のpartsになり、relationshipsで結ばれます。

実測した成対fixtureで見えた内部項目
実体検出形式一覧で確認できた主な項目
testEXCEL_1img.xls(20,992 B)CompoundWorkbook 17,322 B、SummaryInformation、DocumentSummaryInformation、CompObjの4項目
testEXCEL_1img.xlsx(14,552 B)zip[Content_Types].xml、xl/workbook.xml、2つのworksheet、styles、sharedStrings、image1.pngなど16項目

XLSX側ではxl/media/image1.pngを独立して選択解凍できました。XLS側にも同じ基底名の画像入りfixtureが使われていますが、Karuzipの内部一覧では画像が独立項目にならず、Workbook streamに含まれる形です。これは『XLSXのほうが表として正しく見える』という意味ではなく、内部partsへアクセスしやすいという構造上の違いです。

どちらを選ぶかは、相手の環境とマクロで決める

保存形式を決める早見表
用途選ぶ形式理由・確認点
新しい通常のExcelブックXLSX現行Excelの標準的なマクロなし形式。新しい機能を使いやすい
VBAマクロを残すXLSMXLSXはVBAマクロを保存しない。変換後にマクロを実行して確認する
Excel 97-2003しか使えない相手へ渡す必要な場合だけXLS新しい機能や書式が失われないか互換性チェックを確認する
見た目を固定して配布するPDFも検討再編集用のExcel原本は別に残す
値だけを別システムへ渡すCSVなど用途指定の形式複数シート、数式、書式は保持されないため別物として扱う
『相手が古いかもしれない』だけで常にXLSを選ぶ必要はありません。受け手のExcelバージョン、マクロの要否、共同編集の方法を確認し、元のブックは残したまま別形式へ保存します。

Excel 2003との互換性は、開けるかと機能が残るかを分けて考える

現行のExcelはXLSを互換モードで開けますが、互換モードのままでは新しい形式向けの機能に制限が出ることがあります。反対に、Excel 2003のような古い環境へXLSXを渡す場合は、その環境がXLSXを扱える構成か確認が必要です。『ファイルを開けた』だけでは、数式、条件付き書式、グラフ、外部リンクまで同じとは限りません。

互換性確認で見る場所
確認変換前変換後
シート枚数、非表示シート、シート名を控える欠落や名前の変化がないか確認
数式重要セルと外部参照を控えるエラー値、参照先、計算結果を確認
表示印刷範囲、改ページ、列幅、グラフを確認画面表示と印刷プレビューを目視
機能マクロ、ActiveX、データ接続の有無を確認必要な形式で保存され、期待どおり動くか確認
MicrosoftもXLSからXLSXまたはXLSMへ変換する前に原本のコピーを用意し、変換後の内容やレイアウトを確認するよう案内しています。業務ブックでは、バックアップと再確認を変換手順の一部にします。

マクロ入りXLSは、XLSXではなくXLSMを検討する

XLSにはVBAマクロを含められますが、拡張子はマクロの有無を区別しません。対してMicrosoftの形式表では、XLSXはVBAマクロコードを保存できず、XLSMはマクロ対応形式です。マクロを含むXLSをXLSXとして保存すると、必要なコードを失うおそれがあります。

マクロを残す時の判断
状態保存候補必ず行う確認
マクロを使っていないXLSX変換後の数式、表示、外部リンク
VBAマクロを使っているXLSMコードが残ったか、署名、参照設定、動作結果
マクロの有無が分からないすぐ上書きしない信頼できる環境のExcelで開発タブや警告を確認
送信元が不明開かず確認を優先送信者、入手経路、組織のセキュリティ手順
Karuzipで内部項目を一覧できても、マクロが安全だとは判断できません。書庫テストはウイルス検査ではなく、マクロの実行可否や安全性を保証するものでもありません。

XLSをXLSXへ安全に変換する4ステップ

  1. 1

    原本を複製し、入手元を確認する

    XLSを別名でコピーし、元ファイルへ上書きしない状態にします。メールやダウンロードで受け取った場合は、送信者とファイルの用途も確認します。

  2. 2

    マクロと互換性要件を確認する

    Excelで原本を開き、マクロ、外部リンク、古い機能、相手のExcelバージョンを確認します。マクロが必要なら変換先はXLSXではなくXLSMを検討します。

  3. 3

    Excelの『名前を付けて保存』で形式を選ぶ

    通常のブックならExcelブック(.xlsx)、マクロ対応ならExcelマクロ有効ブック(.xlsm)を選びます。エクスプローラーでファイル名だけを書き換えません。

  4. 4

    閉じて開き直し、内容と動作を照合する

    変換後のファイルを一度閉じて開き直し、シート、数式、書式、印刷範囲、画像、グラフ、リンク、必要なマクロを原本と比べます。問題がなければ用途に合わせて配布します。

Excelが使えず、内容を正しく表示・編集する必要がある場合は、送信者へXLSX、PDF、CSVなど目的に合う形式での再送を依頼するのが確実です。Karuzipの抽出はExcel形式への変換ではありません。

拡張子をXLSからXLSXへ変えても、ファイルは変換されない

拡張子はWindowsやアプリがファイル種別を判断する手掛かりです。名前の末尾だけを変えても、内部バイトは書き換わりません。Microsoftも、拡張子と実際の形式が一致しない警告が出た場合は、開く前に理由と入手元を確認するよう案内しています。

拡張子だけを入れ替えた実測結果
操作SHA-256変更後に検出した実体
XLSのコピーを.xlsxへ改名8F370FC0…C9A732のまま不変Compound。XLSXにはなっていない
XLSXのコピーを.xlsへ改名D9798B18…39CEE4のまま不変zip。XLSにはなっていない
出所が不明なファイルで形式不一致警告が出た時は、安易に『はい』を選びません。誤操作による改名だけでなく、別形式をExcelファイルに見せかけている可能性もあります。送信元を確認し、必要なら原本を再送してもらいます。

実測:XLSは4項目、XLSXは16項目として確認できた

比較にはApache TikaのMicrosoft Officeパーサー用fixtureから、同じ基底名を持つtestEXCEL_1img.xlstestEXCEL_1img.xlsxを固定commitで取得しました。双方とも書庫テストと全体解凍に成功しています。これは構造差を再現するための1組であり、一般的なExcelファイルの容量差を示すベンチマークではありません。

正常fixtureの一覧・テスト・解凍結果
検証XLSXLSX
ファイルサイズ20,992 B14,552 B
Git blob SHA-12B447AF7…353D659F33E51…4A571
SHA-2568F370FC0…C9A732D9798B18…39CEE4
検出形式Compoundzip
内部項目4項目16項目
書庫テスト終了コード0、Everything is Ok終了コード0、Everything is Ok
全体解凍4ファイル、成功16ファイル、成功
選択解凍の照合
形式選択した内部項目全体解凍側との比較
XLSWorkbook 17,322 BSHA-256一致
XLSX[Content_Types].xml、workbook.xml、sheet1.xml、sheet2.xml、image1.png5件すべてSHA-256一致
この成対fixtureではXLSXのほうが6,440 B小さくなりましたが、実ファイルの容量は画像、書式、共有文字列、埋め込みオブジェクト、圧縮しやすさで変わります。『XLSXなら必ず何%小さくなる』とは判断できません。

Karuzipは内部確認用で、Excelの表示・編集・変換はしない

Karuzipでできること・できないこと
目的対応意味
XLS・XLSXの内部一覧できるXLSのstream、XLSXのXMLやmedia partsを確認する
書庫テストできる内部データを最後まで読み取れるか確認する
内部項目の選択解凍できるXLSXの画像やXML、XLSのWorkbook streamなどを別フォルダーへ取り出す
セルを表として表示・編集できないExcelや互換表計算アプリを使う
XLSからXLSXへ変換できないExcelの名前を付けて保存、または送信者への再送依頼を使う
マクロや内容の安全性判定できない書庫テスト成功を安全性の証明にしない
アプリ本体はファイルを外部へ送信しません。機密ブックの構造や埋め込み画像をまず手元で確認したい場合に使えますが、抽出したXMLやWorkbook streamを編集して元へ戻す用途は想定していません。

開けない時は、形式不一致・破損・互換性を分ける

症状から確認先を分ける
症状先に確認次の対応
形式と拡張子が一致しない警告送信者、入手元、実体形式不明なら開かず、正しい形式で再送を依頼
XLSXを古いExcelで開けないExcelのバージョンと対応形式現行Excel、Excel for the web、または送信者による互換形式への保存を検討
現行Excelでもブックが開かないファイルサイズ、コピー完了、Excelの『開いて修復』原本を残し、公式の修復を先に試す
Karuzipの書庫テストが失敗ZIPまたはCompound層の読み取り失敗再ダウンロード、再送、バックアップ復元を優先
Karuzipでは見えるがExcelで表示できないパッケージ内部とブック論理構造は別取り出せる素材を保全し、Excelの修復や作成元へ戻る

XLSXの破損時に内部素材を救出する手順は、XLSXが開けない時の復旧ガイドで、正常・CRC破損・中央ディレクトリ欠損を分けて実測しています。この記事はXLSとXLSXの形式選択と変換判断に範囲を絞ります。

オンライン変換へ送る前に、ブックの機密性を確認する

Excelブックには、顧客名、金額、個人情報だけでなく、非表示シート、コメント、作成者情報、外部リンク、埋め込みファイルが含まれることがあります。オンライン変換サービスを使う場合は、アップロード、保管、再利用、削除、処理地域、組織規程を確認します。機密性が判断できない時は外部へ送らず、作成元のExcelで変換するか、送信者へ再送を依頼します。

  • 原本を別名で保存し、上書きしない
  • 送信者と入手経路を確認する
  • 非表示シート、コメント、外部リンク、埋め込みを確認する
  • マクロが必要か、不明かを変換前に判断する
  • 変換後は閉じて開き直し、表示と計算を照合する
  • 外部サービスへ送る場合は組織の規程と削除条件を確認する

XLSとXLSXの違いでよくある質問

XLSとXLSXは、名前以外に何が違いますか?

XLSはExcel 97-2003のBIFF8バイナリをCompound Fileに格納し、XLSXはExcel 2007以降のSpreadsheetMLなどをZIPパッケージに格納します。内部構造が異なる別形式です。

新しく作るならXLSとXLSXのどちらを選びますか?

通常のマクロなしブックならXLSXを選びます。古いExcelしか使えない相手へ渡す必要がある場合だけXLSを検討し、変換後の互換性を確認します。

Excel 2003でXLSXを開けますか?

環境によってはそのまま扱えません。相手が使うExcelの版と構成を確認し、必要なら送信側のExcelでXLSへ別名保存します。ただし新しい機能や書式が失われないか確認が必要です。

XLSの拡張子をXLSXへ変えるだけで変換できますか?

できません。実測ではXLSを.xlsxへ改名してもSHA-256は不変で、実体はCompoundのままでした。Excelの『名前を付けて保存』で形式を選びます。

マクロ入りXLSをXLSXへ変換するとマクロは残りますか?

XLSXはVBAマクロコードを保存できません。マクロが必要ならXLSMを選び、変換後にコード、参照設定、署名、実行結果を確認します。

XLSXはXLSより必ず小さくなりますか?

必ずではありません。今回の成対fixtureではXLSXが小さくなりましたが、容量は画像、書式、埋め込み、データ内容で変わります。1組の結果を一般的な圧縮率として使えません。

『ファイル形式と拡張子が一致しません』と出たら開いてよいですか?

まず送信者と入手元を確認します。誤って改名された場合もありますが、別形式を装っている可能性もあるため、出所が確認できなければ開かず、正しい形式で再送を依頼します。

スマートフォンではXLSとXLSXを同じように編集できますか?

同じとは限りません。Microsoftのモバイル版対応表では、環境によってXLSが読み取り専用になる場合があります。使う端末とアプリの最新版の対応表を確認してください。

機密性の高いXLSをアップロードせず確認できますか?

Karuzipならアプリ本体から外部送信せず、XLSの内部streamやXLSXのXML・画像を一覧、テスト、抽出できます。ただしブックを表として表示・編集・変換はできません。

KaruzipでXLSをXLSXへ変換できますか?

できません。Karuzipは内部一覧、書庫テスト、抽出用です。形式変換はMicrosoft Excelの『名前を付けて保存』を使い、変換後の内容と動作を確認します。

Karuzipで確認した条件

確認日
2026-08-01
環境
Windows 11、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱エンジン(7-Zip 25.01)
標本
Apache Tika commit 5c2039e…3313eのtestEXCEL_1img.xls(20,992 B、Git blob SHA-1 2B447AF7…353D6、SHA-256 8F370FC0…C9A732)とtestEXCEL_1img.xlsx(14,552 B、Git blob SHA-1 59F33E51…4A571、SHA-256 D9798B18…39CEE4)、Apache-2.0
確認項目
固定commitからの取得、Git blob SHA-1照合、実体形式の識別、一覧、書庫テスト、全体解凍、XLSのWorkbook選択解凍、XLSXの5項目選択解凍、全体解凍側とのSHA-256照合、XLS/XLSXの拡張子入れ替え後のハッシュと実体形式の再確認

XLSはCompoundとして4項目、XLSXはzipとして16項目を確認し、双方のテストと全体解凍がPASSした。選択項目も全体解凍側とバイト同一。拡張子を相互に入れ替えてもハッシュと検出形式は変わらなかった。Excelでの表示、編集、再保存、数式再計算、マクロ実行は行っていない。

根拠と更新方針

Windowsの操作、ZIP形式の仕様、Karuzipの機能を混同しないよう、判断ごとに根拠を分けています。

  • Excelでサポートしているファイル形式 | Microsoft Support support.microsoft.com XLSXがXMLベースの形式でVBAマクロを保存しないこと、XLSがExcel 97-2003のBIFF8形式であること、XLSを互換モードで開くこと。
  • xlsをxlsx / xlsmに保存する | Microsoft Support support.microsoft.com XLSからXLSXまたはXLSMへ保存する公式手順、事前バックアップ、変換後の内容・レイアウト確認、マクロがある場合のXLSM選択。
  • Excelで開いたファイルの形式が拡張子と異なっている | Microsoft Support support.microsoft.com 拡張子と実体形式が異なる警告、誤改名や意図的改名の可能性、開く前に送信元を信頼できるか確認する注意。
  • Structure of a SpreadsheetML document | Microsoft Learn learn.microsoft.com XLSXのZIPパッケージ、workbook・worksheetなどのparts、relationships、典型的なSpreadsheetML構造。
  • [MS-XLS] Overview | Microsoft Learn learn.microsoft.com XLSのブックデータがCompound File内のstorage、stream、substreamとバイナリrecordで構成されること。
  • ECMA-376 Office Open XML | Ecma International ecma-international.org Office Open XMLファイル形式の標準と公開仕様。
  • testEXCEL_1img.xls | Apache Tika github.com XLS実測に使用したMicrosoft Officeパーサー用テスト文書の固定commit、パス、Git blob。
  • testEXCEL_1img.xlsx | Apache Tika github.com XLSX実測に使用した同一基底名のMicrosoft Officeパーサー用テスト文書の固定commit、パス、Git blob。
  • Apache Tika License github.com 固定fixtureを含むApache TikaリポジトリのApache License 2.0。
  • 7-Zip 25.01 Release | ip7z github.com Karuzip v1.4.0開発版で同梱している検証エンジンの公開バージョンと配布元。

Excelファイルの実体を、外部送信せず確認

KaruzipはWindows 10 / 11向けの無料解凍・圧縮ソフトです。XLS・XLSXの内部一覧、書庫テスト、全体または選択解凍をローカルで行えます。広告やバンドルはなく、アプリが個人情報を収集することもありません。

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