Karuzip
- バージョン
- v1.0.3(計測時点の版。7-Zip 25.01 エンジン同梱)
- 形態
- 64bit
- 備考
- 完全無料・広告なし・日本語 GUI・自動更新
「解凍ソフトを入れるなら、どれを選ぶべきか」を先に決めたい方向けの記事です。定番の 7-Zip、老舗の WinRAR、かつて人気だった Lhaplus、そして Karuzipを、同じデータを同じマシンで測った数字で横並び比較します。この記事では解凍ソフト同士だけを扱い、速度・圧縮率・対応形式・制限まで、勝ち負けを隠さず並べます。
| ソフト | バージョン | 形態 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Karuzip | v1.0.3(計測時点の版。7-Zip 25.01 エンジン同梱) | 64bit | 完全無料・広告なし・日本語 GUI・自動更新 |
| 7-Zip | 25.01(2025-08) | 64bit | 無料。Karuzip と同一エンジン |
| WinRAR | 7.23(2026) | 64bit | 試用は無期限だが本来は有料 |
| Lhaplus | 1.7.4(2017、最終版) | 32bit | 無料。開発は停止 |
当サイトにはもう 1 本の実測記事「Windows 11 標準機能 vs 解凍ソフトの速度比較」があり、そちらでも「1,000 ファイルの ZIP 圧縮」を計測しています。ただし両者は別のデータセットで、秒数を直接比べることはできません。
| 項目 | このページ(データA) | 標準機能との比較 |
|---|---|---|
| ファイル数 | 1,000 | 1,000 |
| 1 ファイルあたり | 各 約370KB | 各 150〜250KB |
| 合計サイズ | 378.9MB(378,880,000 bytes) | 371MB(389,427,154 bytes) |
| 圧縮のしやすさ | 擬似データ(縮みにくい/ZIP で 111.1MB) | 擬似ビジネス文書(よく縮む/ZIP で 58.6MB) |
| 計測日 | 2026年7月10日 | 2026年7月3日 |
| Karuzip の ZIP 圧縮時間 | 1.05秒 | 2.27秒 |
合計サイズは近いものの、1 ファイルあたりの大きさと中身の圧縮しやすさが違います。よく縮むデータほど圧縮アルゴリズムの探索処理が増えるため時間がかかり、逆に縮みにくいデータは短時間で終わります。生成シード・計測日も別です。したがって「1.05秒」と「2.27秒」は同じ条件の測り直しではなく、別々の実験の値です。各記事の中では常に同一データセット・同一マシンで比較しているので、比較はページ内で完結させてお読みください。
初回計測と同一のマシン(AMD Ryzen 9 5950X/32GB RAM/NVMe SSD/Windows 11 Pro 26200)で、当時の Karuzip v1.3.0・7-Zip 25.01・WinRAR 7.23 を測り直しました。各シナリオを 5 回実行(n=5)した中央値です。テストデータの生成スクリプト・計測スクリプト・5 回分の生の計測値は GitHub(karuzip-bench)で MIT ライセンスのもと公開しています。
| ソフト | 時間(中央値・n=5) | 出来上がり ZIP | 倍率(最速比) |
|---|---|---|---|
| Karuzip v1.3.0(同梱 7-Zip 25.01 エンジン) | 2.50秒 | 122.6MB | 最速(基準) |
| 7-Zip 本体 25.01(同一エンジン) | 2.51秒 | 122.6MB | 約1.0倍 |
| WinRAR 7.23(zip 形式) | 4.14秒 | 129.8MB | 約1.7倍 |
多数の小さなファイルをまとめる場面では、再計測でも 7-Zip エンジン(=Karuzip)が速く、出来上がりも小さい結果でした。ただし差は初回計測の「約4倍」から「約1.7倍」に縮まっています。これはソフトの変化というより、テストデータの中身が変わったためと考えるのが妥当です(同じ表の中でだけ比較してください)。Karuzip と 7-Zip 本体が事実上同着なのは、同一エンジンだからです。
| ソフト | 時間(中央値・n=5) | 倍率(最速比) |
|---|---|---|
| WinRAR 7.23 | 2.25秒 | 最速(基準) |
| Karuzip v1.3.0(同梱 7-Zip 25.01 エンジン) | 2.91秒 | 約1.3倍 |
正直に書きます。今回の再計測では、解凍は WinRAR のほうが速い結果でした。初回計測では「互角(ともに2.01秒)」でしたが、n=5 で測り直すと 2.25秒 対 2.91秒で WinRAR が上回りました。もっとも 0.66秒差であり、この規模の展開はどちらも体感では一瞬です。
| ソフト・形式 | 時間(中央値・n=5) | 出来上がり | 圧縮率 |
|---|---|---|---|
| WinRAR zip 形式 | 1.44秒 | 45.8MB | 21.8% |
| WinRAR rar 形式 | 2.51秒 | 43.8MB | 20.9% |
| Karuzip(7-Zip エンジン)zip 形式 ※ | 14.79秒 | 44.0MB | 21.0% |
| Karuzip(7-Zip エンジン)7z 形式 ※ | 29.27秒 | 38.8MB | 18.5% |
ここは Karuzip がはっきり負けた項目なので、そのまま公開します。 単一の大きなファイルを ZIP にする場面では、WinRAR が1.44秒に対し Karuzip(7-Zip エンジン)は14.79秒と約10倍の差がつきました。7-Zip エンジンは ZIP の圧縮を 1 ファイルにつき 1 スレッドで行うため、ファイルが 1 つしかない場面では 16 コアを活かせないのが理由です。出来上がりサイズも、WinRAR の rar 形式(43.8MB)が Karuzip の zip(44.0MB)よりわずかに小さくなりました。Karuzip が明確に優位なのは 7z 形式(38.8MB)で、その代わり時間はかかります。
※ Karuzip v1.3.0 は、単一ファイル・16MiB〜4GiB・すでに圧縮済みでない・パスワードなし・圧縮レベル自動の条件がすべて揃うと、アプリ本体(GUI)内の並列 deflate で ZIP を作ります。この経路はコマンドラインから呼び出せないため、上表の Karuzip 行は同梱 7-Zip エンジンの値であり、v1.3.0 の GUI で圧縮したときの値ではありません。GUI 経路の再現可能な計測は今後の課題です。なお、多数のファイルをまとめる場面(シナリオ1・2)は上記の条件に当たらないため、GUI でも同梱 7-Zip エンジンが担当します。
ここから下は、v1.0.3(2026年7月10日)の初回計測です。上書きせず、版を明記したうえでそのまま残しています。
「フォルダごと ZIP にして送る」——最も日常的な使い方です。多数の小さなファイルを扱う場面は 7-Zip エンジンが並列処理で強く、ここが最も差の付いた項目でした。
| ソフト | 時間(中央値) | 出来上がり ZIP | 倍率(最速比) |
|---|---|---|---|
| Karuzip(7-Zip 25.01 エンジン) | 1.05秒 | 111.1MB | 最速(基準) |
| WinRAR 7.23(zip 形式) | 4.01秒 | 111.6MB | 約3.8倍 |
シナリオ1で作った ZIP を空フォルダへ展開しました。
| ソフト | 時間(中央値) | 結果 |
|---|---|---|
| Karuzip(7-Zip 25.01 エンジン) | 2.01秒 | 互角 |
| WinRAR 7.23 | 2.01秒 | 互角 |
解凍は両者ほぼ互角でした。正直なところ、この規模の ZIP 展開はどちらも一瞬で、体感差はありません。
圧縮の効くデータ(ログ・文書・ソースコード風のテキスト)を ZIP にした場合です。速度はほぼ同じでも、出来上がりのサイズに差が出ました。
| ソフト・形式 | 時間(中央値) | 出来上がり | 圧縮率 |
|---|---|---|---|
| Karuzip(7-Zip)zip 形式 | 2.01秒 | 41.2MB | 19.6% |
| WinRAR zip 形式 | 2.01秒 | 46.6MB | 22.2% |
| WinRAR rar 形式(本来の強み) | 2.01秒 | 41.4MB | 19.7% |
| Karuzip(7-Zip)7z 形式 | 約62秒 | 34.1MB | 16.3% |
同じ ZIP 形式でも、Karuzip(7-Zip エンジン)は 41.2MB、WinRAR は 46.6MB で、Karuzip の方が約12%小さくなりました。しかも Karuzip の ZIP(41.2MB)は、WinRAR が本来の得意形式である RAR で圧縮した結果(41.4MB)よりわずかに小さいという結果です。もっと縮めたい場合は 7z 形式で 34.1MB まで下げられますが、その分だけ時間はかかります(時間と圧縮率のトレードオフ)。
Lhaplus は導入が簡単で長く親しまれてきたソフトですが、最終版 1.7.4 は 2017年公開で、32bit のまま更新が止まっています。その影響を実測しました。
「今すぐ壊れる」わけではありませんが、4GB 超のファイルや 7z 形式が当たり前になった現在、新規に選ぶ理由は乏しくなっています。乗り換え先の候補はLhaplus の代替ソフトで整理しています。
| 項目 | Karuzip | 7-Zip 25.01 | WinRAR 7.23 | Lhaplus 1.7.4 |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料 | 有料(試用は無期限) | 無料 |
| 広告・バンドル | なし | なし | なし | なし |
| 日本語 GUI | ○ | △(有志の言語ファイル) | ○ | ○ |
| ビット数 / 4GB 超 | 64bit / ○ | 64bit / ○ | 64bit / ○ | 32bit / ✕(実測で失敗) |
| 7z 形式の作成・解凍 | ○ | ○ | ✕ | ✕ |
| RAR の作成 | ✕(解凍のみ) | ✕(解凍のみ) | ○(唯一) | ✕(解凍のみ) |
| パスワード付き ZIP 作成 | △(従来型 ZipCrypto) | ○(AES-256) | ○(AES-256) | △(従来型 ZipCrypto) |
| 自動更新 | ○(v1.0.2〜) | ✕(手動) | ✕(手動) | ✕(開発停止) |
| 最終更新 | 2026年 | 2025年 | 2026年 | 2017年 |
○×はあくまで代表的な観点での整理です。「日本語 GUI」の 7-Zip △は、本体は英語で有志の言語ファイルを追加する形のためです。
Karuzip は完全無料の解凍・圧縮ソフトです(現在の最新版は v2.2.1。7-Zip を主エンジンに unar・自製エンジンを併用し、ZIP・7z の圧縮/解凍は引き続き 7-Zip エンジンが担当します。広告・バンドル・テレメトリなし、インストーラ 11.77MB、Windows 10/11 の 64bit 対応、RAR は解凍のみ、v1.0.2 以降は自動更新対応)。コマンドを覚えなくても、上記の速度と圧縮率を日本語 GUI の日常操作で使えます。バージョンごとの変更点は更新履歴で公開しています。
ほぼ同じです。Karuzip は ZIP・7z の圧縮/解凍に 7-Zip 25.01 のエンジンをそのまま同梱して呼び出しているため、速度と圧縮率はスタンドアロンの 7-Zip と同等になります。違いは速さではなく、日本語 GUI・自動更新・進捗表示・パスワード入力の扱いやすさです(7-Zip との詳しい比較)。
今回の実測では速い結果でした。v1.0.3 での初回計測(2026年7月10日)では、1,000ファイル(378.9MB)の ZIP 圧縮は Karuzip 約1.05秒に対し WinRAR 約4.01秒で、約4倍の差。出来上がりの ZIP も Karuzip 111.1MB に対し WinRAR 111.6MB とわずかに小さくなりました。v1.3.0 での再計測(2026年7月29日・n=5)でも Karuzip 2.50秒に対し WinRAR 4.14秒で Karuzip が速い結果でしたが、差は約1.7倍に縮まっています。ただし、まとめる対象が単一の大きなファイル 1 つだけの場合は逆転し、再計測では WinRAR 1.44秒に対し Karuzip 14.79秒と WinRAR が約10倍速い結果でした。
Lhaplus は 2017年公開の 1.7.4 が最終版で、32bit のまま更新が止まっています。4GB を超えるファイルを含む ZIP の解凍を実測したところ、進捗が約92%まで進んだ後にファイルが取り出されず失敗しました。4GB 超や 7z 形式に非対応で、セキュリティ更新も止まっているため、新規利用は 64bit で更新の続くソフトへの乗り換えをおすすめします。
同じにはなりません。今回は Ryzen 9 5950X・32GB RAM・NVMe SSD での計測で、CPU のコア数やストレージ速度が違えば絶対値は変わります。個々の秒数より、ソフト間の傾向(倍率・圧縮率の差)の参考としてご覧ください。なお、テストデータの生成スクリプトと計測スクリプトは MIT ライセンスで公開しているため、お手元の PC で同じ手順を追試できます。