中国語やハングルを使う取引先から届いた ZIP を解凍したら、ファイル名が意味の通らない漢字や記号の並びになっていた——。原因は日本語の ZIP の文字化けと同じ「文字コードの食い違い」ですが、日本語の二択(UTF-8 と CP932)を試しても直りません。作成元の言語に合った文字コードを選ぶ必要があります。Mac から届いた日本語の ZIP の場合は、ZIP の文字化け対策から先に読んでください。
- 元の ZIP を残したまま、Karuzip の主画面で ZIP を開きます(ウィンドウへドラッグするか「ファイルを選ぶ」)。
- 一覧の上にある文字コード欄で、簡体字の相手なら GBK、繁体字の相手なら Big5、ハングルの相手なら CP949 を選びます。
- フォルダ名や長い名前まで読めることを確かめてから解凍します。解凍後の名前も、そのときの表示にそろいます。
日本語の Windows で中国語・ハングルの名前が化ける理由
ZIP には、ファイル名が UTF-8 で記録されていることを示すフラグがあります(出典: PKWARE APPNOTE)。このフラグの無い ZIP では、名前は作成した PC のローカルな文字コードのバイト列のまま記録され、どの文字コードで書いたかは ZIP の中に残りません。受け取った側は、自分の PC の文字コードで読むしかありません。
日本語の Windows の文字コードは CP932 です。簡体字中国語の Windows で作られた ZIP の名前は GBK(コードページ 936)、繁体字中国語は Big5(950)、ハングルは CP949(949)で記録されていることが多く、これを CP932 として読むと、別の漢字や記号の並びに化けます。
| ZIP を作った環境 | 名前の文字コード | コードページ | Karuzip で選ぶ項目 |
|---|---|---|---|
| 簡体字中国語の Windows | GBK | 936 | GBK |
| 繁体字中国語の Windows | Big5 | 950 | Big5 |
| ハングルの Windows | CP949 | 949 | CP949 |
| 日本語の Windows や古い日本語の圧縮ソフト | CP932(Shift_JIS) | 932 | 日本語 (CP932) |
| Mac の標準圧縮や最近のアプリ | UTF-8 | 65001 | UTF-8 |
コードページの番号と対応する言語は、Microsoft Learn の一覧(出典: Code Page Identifiers)に基づきます。実際の ZIP がどれで作られたかは、送り手の環境や使った圧縮ソフトで変わります。
Karuzip で文字コードを選び直す手順
- 主画面で ZIP を開く。 ウィンドウへドラッグするか「ファイルを選ぶ」から開くと、解凍する前に中身の一覧が表示されます。
- 一覧の上の文字コード欄を開く。 この欄は ZIP を開いたときだけ表示されます。選択肢は「文字コード: 自動」、UTF-8、日本語 (CP932)、CP949、GBK、Big5 の 6 つです。
- 作成元に合う項目を選ぶ。 選ぶとファイル名を読み直し、一覧の表示が変わります。ZIP そのものは書き換えません。
- 複数の名前で確かめる。 1 つの名前だけで決めず、フォルダ名、長い名前、記号の入った名前まで読めるかを見ます。GBK と Big5 はどちらも漢字として表示されることがあるので、両方を試して自然な方を選びます。
- そのまま解凍する。 全部の解凍にも、選んだ項目だけの解凍にも、表示中の文字コードが使われます。
GBK と Big5 で名前が崩れる様子と直った後の画面は、ZIP の文字化け対策で、再現用のサンプル ZIP(SHA-256 付き)と一緒に公開しています。手元で同じ操作を試してから、実際の ZIP に使えます。
右クリックで解凍したときの注意
エクスプローラーの右クリックから直接解凍すると、文字コードは「自動」で扱われ、文字コード欄は出ません。名前に読めない記号が出るなど文字化けの疑いがはっきりした ZIP では、書き出す前に「ファイル名を確認してください」という画面で名前を最大 3 件表示します。そこで中止して主画面で文字コードを選び直すか、「このまま解凍」を選べます。
ただし、中国語の名前を日本語として読んだときのように、記号が出ずに別の漢字へ化ける場合は、この案内が出ないことがあります。すべての文字化けを見つける機能ではありません。中国語やハングルの相手から届いた ZIP は、右クリックで解凍する前に主画面で一覧を開いて確かめるのが確実です。
どの項目を選んでも読めないとき
- UTF-8 のフラグが付いた ZIP では、文字コード欄の選択はファイル名に影響しません。名前が崩れていても別の原因を考えます。
- すでに文字化けした名前で作られた ZIP(崩れた名前のまま圧縮し直したものなど)は、読み方を変えても元に戻りません。送り手に作り直しを頼んでください。
- 一覧自体が出ない・解凍に失敗するときは、文字コードではなく破損や暗号化の可能性があります。ZIP が解凍できないときの原因別対処で切り分けます。
- 7z や RAR など ZIP 以外の形式では、文字コード欄は表示されません。
送り手に作り直しを頼むときは、ファイル名を英数字にしてもらうか、UTF-8 でファイル名を記録できる圧縮ソフトで ZIP を作ってもらうと、受け取る側の環境に左右されにくくなります。
対応する版
GBK と Big5 は以前の版から選べます。CP949 は公式サイト版の 2.2.3 で追加しました(更新履歴)。現在の公式サイト版 2.2.5 でも使えます。Microsoft Store 版は配信の時期が異なるため、CP949 が選択肢に無い場合があります。
コマンドラインで使う場合は、公式サイト版に同梱の CLI で --filename-encoding を操作名より前に指定します。値は auto / utf8 / cp932 / cp949 / gbk / big5 です。使い方は CLI の使い方を参照してください。
karuzip-cli --json --filename-encoding gbk archive.list --archive sample.zip
参照資料
このページの説明は、次の資料と突き合わせて確認しています。
- PKWARE ZIP Application Note — ファイル名を UTF-8 で記録したことを示すフラグを含む、ZIP の一次仕様(2026年9月23日確認)
- Microsoft Learn「Code Page Identifiers」 — 936(簡体字中国語)・949(ハングル)・950(繁体字中国語)・932(日本語)の定義(2026年9月23日確認)
- Karuzip 更新履歴 2.2.3 — 文字コードを選び直す案内と CP949 の追加
よくある質問
Q. 文字化けしたまま解凍したファイルは直せますか?
ファイルの中身は壊れていません。元の ZIP が残っていれば、Karuzip で文字コードを選び直して解凍し直すのが確実です。元の ZIP が無い場合、化けた名前から元の名前を必ず戻せるとは限りません。
Q. 中国語の ZIP は GBK と Big5 のどちらを選べばよいですか?
簡体字の中国語の環境で作られた ZIP は GBK、繁体字の中国語の環境で作られた ZIP は Big5 に合うことが多いです。分からないときは両方を試し、フォルダ名や長い名前まで自然に読める方を選びます。
Q. 選んだ文字コードは次に開くときも使われますか?
いいえ。選択はその ZIP を開いている間だけ有効で、設定や最近使ったファイルには保存されません。別の ZIP を開いたら改めて確認してください。
Q. 右クリックの解凍でも文字コードを選べますか?
右クリックからの解凍は「自動」で扱います。文字化けの疑いがはっきりした ZIP では書き出す前に名前を表示するので、中止して主画面で選び直せます。案内が出ない文字化けもあるため、中国語やハングルの ZIP は主画面で一覧を確かめてから解凍してください。
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