STLが必要な相手へ渡す時だけ、PrusaSlicerでobject単体またはplate全体をSTLへ書き出します。 STLは主にsurface meshを渡す形式です。3MFの単位、色、材料、複数object、metadata、スライサー設定は同じ形では残らないため、3MF原本を正本として保存します。
最初に、3MFを残すかSTLを渡すかを用途で決める
3MFとSTLは、どちらも3D meshを扱えますが同じ保存箱ではありません。3MFはZIP package内にmodel、relationships、metadata、色等を持てます。STLはsurface triangleを広く受け渡す時に向きます。
| 目的 | 選ぶ形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 同じslicerで作業を続ける | 3MF | object、配置、色、設定等をprojectとして残しやすい |
| STLだけ対応する相手へmeshを渡す | STL | surface geometryの互換用copyとして使う |
| 複数objectやmulti-materialを共有 | 3MFを優先 | objectと属性の関係を一つのpackageで持てる |
| printer用toolpathを作る | G-code/BG-code | 3MFやSTLをslicerで処理した後の別出力 |
| 内部XMLや色指定を確認 | 3MFをKaruzipで一覧 | 変換せずpackage内の部品を見る |
3MFとSTLの違いは、形状以外を持てるかにある
3MF Core Specification 1.4.0は、3MFをOPC準拠のZIP packageとし、3D Model part、resources、build、単位、metadata、thumbnail等を定義しています。PrusaSlicerの公式説明では、STLは物体形状のsurface trianglesを保存する形式と整理されています。
| 比較 | 3MF | STLへ書き出した後 |
|---|---|---|
| mesh geometry | verticesとtrianglesを持てる | surface trianglesを持つ |
| 単位 | modelのunitで指定。既定はmillimeter | 標準的なunit fieldはないため受け側でscale確認 |
| 複数object | objectとbuild itemをnativeに区別 | 一つのSTLでは複数shellも一つのobjectとして扱われ得る |
| 色・材料・texture | Coreとextensionsで表現できる | 標準STLのmesh-only出力には同じ構造で残らない |
| metadata | Title、Designer、Copyright等を持てる | 通常のSTL meshへ同じcollectionは移らない |
| slicer設定 | PrusaSlicerの3MF projectは設定等を保存 | STLはproject設定を保存する用途ではない |
| 内部形式 | XML等をZIP packageへ格納 | ASCIIまたはbinaryのtriangle data |
変換前に、単体objectかplate全体かを決める
PrusaSlicerの公式書き出し手順には、3D viewで単体modelを右クリックしてSTLへ出す方法と、plate上の全modelを一つのSTLへ出す方法があります。ここを選ばずに変換すると、後からpartsを分けにくくなります。
| 変換したいもの | PrusaSlicerの選択 | 注意 |
|---|---|---|
| 一つのmodelだけ | 3D viewで対象を右クリック → STLとしてエクスポート | 選択object、scale、向きを確認 |
| plate上の全modelを一つへ | ファイル → エクスポート → plateをSTL/OBJとしてエクスポート | 複数shellが一つのobjectとして読まれ得る |
| 複数modelを別々に | 各objectを個別にSTLへ書き出す | 名前と原点の対応を記録 |
| multi-material project | 3MFを正本として残す | 一つの標準STLだけでは色・material割当を保持しにくい |
| support込みSLA出力 | 対応modeの専用exportを確認 | 編集できないSTLになる場合がある |
PrusaSlicerで3MFをSTLへ変換する5ステップ
-
1
3MF原本を複製する
配布元の3MFを正本として残し、変換用copyを用意します。機密性、license、再配布条件も先に確認します。
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2
PrusaSlicerで3MFを開く
drag & dropまたは[ファイル]から開き、object数、配置、寸法、向き、色、printer/filament/print設定を確認します。
-
3
単体objectかplate全体かを選ぶ
一つだけなら対象modelを右クリックします。全modelを一つへまとめる時だけplate全体のexportを選びます。
-
4
STLとして書き出す
単体は[STLとしてエクスポート]、全体は[ファイル]→[エクスポート]→plateをSTL/OBJとしてexportします。元3MFと別名・別場所へ保存します。
-
5
STLを開き直して照合する
triangleの欠け、object/shell、寸法、単位scale、原点、向き、面の異常を確認します。印刷する場合はprinter profileを選び、別途G-codeを生成します。
変換後は、寸法・向き・色・object構造を照合する
STLが開ければ変換完了、ではありません。3MFが持つunitとobject関係を、STLを読むsoftware側が同じ意味で再現するとは限りません。元3MFと変換後STLを同じslicerへ並べ、数値と見た目を確認します。
| 確認 | 見る値 | 異常時 |
|---|---|---|
| 寸法 | X・Y・Zの最大寸法 | mm/inch等のunit解釈を確認して再export |
| 向きと原点 | bed上の向き、上下、原点位置 | rotation/placementを戻してexport |
| object/shell | 個数、partsの分離、重なり | 単体exportか全plateかを選び直す |
| mesh | 穴、反転面、欠落triangle、非多様体 | source modelまたは修復機能へ戻る |
| 色・材料 | 割当が必要か | STL一つで代用せず3MFまたはparts別STLを使う |
| printer設定 | nozzle、filament、layer、support | STLには期待せずslicerで設定し直す |
| 3MF側の情報 | STL側の扱い | 残し方 |
|---|---|---|
| unit | 受け側の解釈に依存 | 元寸法を記録し、再importで照合 |
| object name/build item | meshへflattenされる場合がある | 3MF原本とobject一覧を保存 |
| color/material/texture | 標準STLへ同じ構造で移らない | 3MFを正本にし、必要ならpartsを分ける |
| slicer profile/modifier | STLにはproject状態を保持しない | 作成元slicerの3MF projectを残す |
| metadata/license | STLのtriangle dataだけでは不足 | 配布元ページとlicense文書を別途保持 |
STLへ変換しても、まだG-codeではない
STLは3D printerのmotion commandではありません。PrusaSlicer等へSTLを読み込み、対象printer、nozzle、filament、layer、support等を決めてsliceし、G-code/BG-codeを別に生成します。3MFから直接sliceできるなら、STLを挟まない方がproject情報を保ちやすい場合があります。
| 形式 | 主な内容 | 次の操作 |
|---|---|---|
| 3MF | model、unit、object、色・material、project情報等 | 対応slicerで開き、必要なら調整 |
| STL | surface triangle mesh | slicerでprinter条件を設定 |
| G-code/BG-code | printerが実行するtoolpathと命令 | 対象printerへ送る |
| ZIPへ改名した3MF | 3MF packageと同じbytes | 内部確認用で、印刷・変換にはならない |
Karuzipは3MFの内部確認用で、STL変換や3D previewはしない
3MF Core仕様どおり、3MFの物理形式はZIP packageです。Karuzipは.3mfを直接開き、3D/3dmodel.model、_rels/.rels、[Content_Types].xml、thumbnailやtexture等があれば一覧・テスト・解凍できます。
| 操作 | 対応 | 結果 |
|---|---|---|
| 3MF内部の一覧 | できる | model part、relationships、metadata関連part等を確認 |
| ZIP層の書庫テスト | できる | CRCや末尾欠損を検査 |
| model XML等の選択解凍 | できる | 内部fileを別folderへ保存 |
| 3D modelの描画・回転 | できない | PrusaSlicer等の3D対応appを使う |
| 3MF→STL/G-code変換 | できない | meshを理解するslicer/3D softwareを使う |
| mesh修復・scale補正 | できない | 元CADまたはslicerの修復機能で判断 |
実測:公式3MFは3部品、24頂点、44三角形、5色を持っていた
固定sampleは3MF Consortium公式repositoryのrhombicuboctahedron_color.3mfです。commitとGit blobを固定し、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱engineで一覧・テスト・全体/選択解凍しました。
| 検証 | 結果 | 意味 |
|---|---|---|
| ファイル照合 | 1,643 B、Git blob SHA-1 EF3F6E9F…6779、SHA-256 76E67544…5DCB0 | 公式固定commitのsampleと同一 |
| package一覧 | zip、3file | Content Types、root relationships、3D Model part |
| 書庫テスト/全体解凍 | 終了コード0、3file | 固定sampleのZIP層を検査・抽出 |
| 選択解凍 | 3fileすべて全体解凍側とSHA-256一致 | 必要partを同じbytesで取得 |
| model unit | millimeter | coordinateの解釈を明示 |
| mesh | 24 vertices、44 triangles | 一つのcolor objectのsurface |
| 属性 | 5 colors、metadata 3件、object 1、build item 1 | triangle以外の意味を持つ |
| bounds | X/Y/Zとも0.00500488〜120.716 | 約120.711 mmの外形 |
同じ44三角形をSTLへ書くと、形状は残っても5色と単位は残らなかった
比較のため、固定3MFのvertex/triangleだけを決定的なbinary STLへ書きました。これはPrusaSlicerの変換結果ではなく、mesh-onlyへ落とす時の情報境界を再現する検証用出力です。
| 比較 | 3MF | 検証用binary STL |
|---|---|---|
| サイズ | 1,643 B | 2,284 B |
| triangles | 44 | 44、一致 |
| bounds | 0.00500488〜120.716 | float32誤差内で一致 |
| unit | millimeter | unit fieldなし |
| colors | 5色をtriangleへ割当 | color group fieldなし |
| metadata | CreationDate等3件 | metadata collectionなし |
| object/build | object名とbuild item | object collectionなし |
| SHA-256 | 76E67544…5DCB0 | DD341939…1A89 |
ZIPへの改名は変換ではなく、ZIPテスト成功も3MF成立の証明ではない
固定3MFのcopyを.zipへ改名しても、1,643 BとSHA-256は元3MFと同一で、実体もzip packageでした。内部を見る入口は変わっても、STLのtriangle streamは生成されません。
| copy | 検査結果 | 判断 |
|---|---|---|
| .zipへ改名 | bytes・SHA-256同一、zipとして3fileを一覧 | 3MF→STL変換ではない |
| 末尾128 B欠損 | 一覧・テストとも終了コード2、Unexpected end | ZIP packageの末尾欠損 |
| 3D Model partを除いて再構成 | 2fileを一覧、ZIPテストPASS | ZIPの格納状態は正常 |
| Model part欠落copy | 3D/3dmodel.modelなし | 3MFとして必要な3D payload rootを処理できない |
オンライン変換へ送る前に、設計データとlicenseを確認する
3MFはmodel geometryだけでなく、metadata、thumbnail、source path、project設定、vendor extensionを含む場合があります。公開前の製品設計、顧客data、購入modelは、オンラインconverterへuploadしてよいかを先に確認します。
| 条件 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 社外秘・顧客設計 | 承認済みのlocal slicer/3D software | 外部uploadを避ける |
| 購入・download model | licenseと再配布条件を確認 | STL化しても権利条件は消えない |
| multi-material/複数object | 3MF原本を正本にする | 一つのSTLへflattenしない |
| 相手がSTLのみ対応 | 必要objectだけSTL copyを渡す | 過剰なproject情報を渡さない |
| 変換後に寸法が違う | 元3MFのunitとboundsへ戻る | 受け側のmm/inch解釈を修正 |
| 3MFが開けない | 別名copy、配布元再取得、対応extensionを確認 | 改名や再packageで直ったとみなさない |
3MFとSTLの違い・変換に関するよくある質問
3MFをSTLへ変換するにはどうすればよいですか?
PrusaSlicerで3MFを開き、一つのmodelなら3D viewで右クリックして[STLとしてエクスポート]、plate全体なら[ファイル]→[エクスポート]からplateをSTL/OBJとして書き出します。原本3MFは残します。
3MFとSTLはどちらを残すべきですか?
作業用の正本は3MFを残すのが安全です。STLはSTLだけ対応する相手へsurface meshを渡す互換copyとして作ります。色、object、unit、project設定を後で直す可能性があるなら3MFを削除しません。
3MFからSTLへ変換すると色や材料は消えますか?
標準的なmesh-only STLには、3MFのcolor group、material、texture、project設定を同じ構造で移せません。multi-material用途は3MFを残すか、必要に応じてpartsを別々のSTLへ分けます。
3MFからSTLへ変換するとサイズが変わりますか?
geometry値が同じでも、STLには標準的なunit fieldがないため、受け側がmmやinchをどう解釈するかで見かけの寸法が変わり得ます。変換後STLを開き直し、X・Y・Z寸法を元3MFと照合します。
3MFをSTLへ変換すると画質が落ちますか?
元3MFと同じtrianglesを書き出す限りsurface meshは保てますが、export時の簡略化、修復、modifier適用等で変わる場合があります。triangle欠落、穴、反転面、boundsを確認してください。
3MFをSTLへ変換すればそのまま印刷できますか?
STLはG-codeではありません。STLをslicerへ読み込み、対象printer、nozzle、filament、layer、support等を設定して、G-codeまたはBG-codeを別に生成します。
複数objectの3MFは一つのSTLにできますか?
PrusaSlicerではplate全体を一つのSTLへexportできます。ただし複数shellが一つのobjectとして扱われ得ます。個別に動かす、別materialを割り当てる場合はobjectごとにSTLを分けます。
3MFの拡張子をSTLやZIPへ変えれば変換できますか?
できません。.zipへの改名は3MF内部を見る入口を変えるだけで、bytesとpackage構造は同じです。.stlへ改名してもtriangle dataは生成されません。
Karuzipで3MFをSTLへ変換できますか?
できません。Karuzipは3MF package内のmodel XML、relationships、thumbnail、texture等を一覧・テスト・解凍できますが、3D描画、mesh再構成、STL/G-code変換は行いません。
オンラインの3MF→STL変換を使ってもよいですか?
公開済みでupload許可のあるdataなら選択肢ですが、社外秘、顧客設計、購入modelは規程とlicenseを確認します。3MFにmetadataやproject情報が含まれる可能性もあるため、承認済みlocal softwareを優先します。
Karuzipで確認した条件
- 確認日
- 2026-08-01
- 環境
- Windows 11、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱エンジン(7-Zip 25.01)、Node.js 24
- 標本
- 3MF Consortium 3mf-samples commit 665e20d…0337のrhombicuboctahedron_color.3mf(1,643 B、Git blob SHA-1 EF3F6E9F…6779、SHA-256 76E67544…5DCB0、BSD-2-Clause)。同じ44 trianglesのmesh-only binary STL 2,284 B、末尾128 B欠損、Model part欠落、.zip改名copyも生成
- 確認項目
- 固定commit取得、Git blob照合、3file一覧・書庫テスト・全体/選択解凍・SHA-256照合、unit、24 vertices、44 triangles、5 colors、metadata 3件、object/build、bounds、mesh-only STLのtriangle/bounds一致と非保持field、改名、末尾欠損、Model part欠落時のZIPテストを確認
正常3MFのZIP層はPASS。mesh-only STLは同じ44 trianglesとfloat32誤差内のboundsを持つが、unit、5 colors、metadata、object名、build構造を持たない。末尾欠損はUnexpected end。Model part欠落copyはZIPテストPASSのため、書庫層の正常と3MF成立を分離した。PrusaSlicerのUI変換は実行せず、公式手順と検証用deterministic STLを根拠として分けた。
根拠と更新方針
Windowsの操作、ZIP形式の仕様、Karuzipの機能を混同しないよう、判断ごとに根拠を分けています。
- 3MF Core Specification 1.4.0 | 3MF Consortium github.com 3MFのZIP/OPC package、3D Model part、unit、resources、build、metadata、thumbnail、extensionsの正式要件。
- 3MF feature comparison datasheet | 3MF Consortium 3mf.io 3MFとSTL等のunit、full color、compact representation、additive manufacturing workflowの比較。
- プロジェクトを3MFで保存 | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com PrusaSlicerの3MF projectがobject、設定、modifier、color、texture等を保存し、STLはsurface trianglesを保存する説明。
- 書き出す | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com 単体modelを右クリックしてSTLへexportする方法と、plate全体を一つのSTL/OBJへexportする方法。
- オブジェクト/パーツに分割 | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com STLは複数shellを一objectとして読み、3MFは複数objectをnativeに区別できること。
- rhombicuboctahedron_color.3mf | 3MF Consortium github.com 固定fixtureのcommit、path、Git blob、24 vertices、44 triangles、5 colors、unit、metadata。
- 3MF Samples License github.com 固定fixture repositoryのBSD-2-Clause license。
- 7-Zip 25.01 Release | ip7z github.com Karuzip v1.4.0開発版で同梱している検証engineの公開versionと配布元。
3MFを外部へ送らず、変換前に内部partを確認
KaruzipはWindows 10 / 11向けの無料解凍・圧縮ソフトです。3MF packageを直接一覧し、書庫テスト、全体または選択解凍ができます。3D modelの描画・修復・STL変換は行わず、広告やバンドルもありません。
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