3MF → STL · CONVERSION / DIFFERENCE GUIDE

3MFをSTLへ変換する方法:違いと失われる情報を先に確認

PrusaSlicerで3MFを開き、単体は右クリック、plate全体は[ファイル]→[エクスポート]からSTLへ書き出します。原本3MFは残します。

最終更新: 2026年8月1日 · 執筆・検証: Karuzip 開発チーム
確認環境: Windows 11、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱エンジン(7-Zip 25.01)、Node.js 24

先に結論

STLが必要な相手へ渡す時だけ、PrusaSlicerでobject単体またはplate全体をSTLへ書き出します。 STLは主にsurface meshを渡す形式です。3MFの単位、色、材料、複数object、metadata、スライサー設定は同じ形では残らないため、3MF原本を正本として保存します。

最初に、3MFを残すかSTLを渡すかを用途で決める

3MFとSTLは、どちらも3D meshを扱えますが同じ保存箱ではありません。3MFはZIP package内にmodel、relationships、metadata、色等を持てます。STLはsurface triangleを広く受け渡す時に向きます。

3MFのまま使うかSTLへ変換するか
目的選ぶ形式理由
同じslicerで作業を続ける3MFobject、配置、色、設定等をprojectとして残しやすい
STLだけ対応する相手へmeshを渡すSTLsurface geometryの互換用copyとして使う
複数objectやmulti-materialを共有3MFを優先objectと属性の関係を一つのpackageで持てる
printer用toolpathを作るG-code/BG-code3MFやSTLをslicerで処理した後の別出力
内部XMLや色指定を確認3MFをKaruzipで一覧変換せずpackage内の部品を見る
3MFからSTLを作っても、3MFを削除しません。後で色、object分割、scale、slicer設定を直す時、mesh-onlyのSTLだけでは戻せない情報があります。

3MFとSTLの違いは、形状以外を持てるかにある

3MF Core Specification 1.4.0は、3MFをOPC準拠のZIP packageとし、3D Model part、resources、build、単位、metadata、thumbnail等を定義しています。PrusaSlicerの公式説明では、STLは物体形状のsurface trianglesを保存する形式と整理されています。

3MFとSTLの保持情報
比較3MFSTLへ書き出した後
mesh geometryverticesとtrianglesを持てるsurface trianglesを持つ
単位modelのunitで指定。既定はmillimeter標準的なunit fieldはないため受け側でscale確認
複数objectobjectとbuild itemをnativeに区別一つのSTLでは複数shellも一つのobjectとして扱われ得る
色・材料・textureCoreとextensionsで表現できる標準STLのmesh-only出力には同じ構造で残らない
metadataTitle、Designer、Copyright等を持てる通常のSTL meshへ同じcollectionは移らない
slicer設定PrusaSlicerの3MF projectは設定等を保存STLはproject設定を保存する用途ではない
内部形式XML等をZIP packageへ格納ASCIIまたはbinaryのtriangle data
『3MFなら必ずslicer設定を含む』わけではありません。Coreだけの3MF、vendor固有project、色・material extension付き3MFなど内容は作成元で異なります。

変換前に、単体objectかplate全体かを決める

PrusaSlicerの公式書き出し手順には、3D viewで単体modelを右クリックしてSTLへ出す方法と、plate上の全modelを一つのSTLへ出す方法があります。ここを選ばずに変換すると、後からpartsを分けにくくなります。

STLの出力単位を決める
変換したいものPrusaSlicerの選択注意
一つのmodelだけ3D viewで対象を右クリック → STLとしてエクスポート選択object、scale、向きを確認
plate上の全modelを一つへファイル → エクスポート → plateをSTL/OBJとしてエクスポート複数shellが一つのobjectとして読まれ得る
複数modelを別々に各objectを個別にSTLへ書き出す名前と原点の対応を記録
multi-material project3MFを正本として残す一つの標準STLだけでは色・material割当を保持しにくい
support込みSLA出力対応modeの専用exportを確認編集できないSTLになる場合がある

PrusaSlicerで3MFをSTLへ変換する5ステップ

  1. 1

    3MF原本を複製する

    配布元の3MFを正本として残し、変換用copyを用意します。機密性、license、再配布条件も先に確認します。

  2. 2

    PrusaSlicerで3MFを開く

    drag & dropまたは[ファイル]から開き、object数、配置、寸法、向き、色、printer/filament/print設定を確認します。

  3. 3

    単体objectかplate全体かを選ぶ

    一つだけなら対象modelを右クリックします。全modelを一つへまとめる時だけplate全体のexportを選びます。

  4. 4

    STLとして書き出す

    単体は[STLとしてエクスポート]、全体は[ファイル]→[エクスポート]→plateをSTL/OBJとしてexportします。元3MFと別名・別場所へ保存します。

  5. 5

    STLを開き直して照合する

    triangleの欠け、object/shell、寸法、単位scale、原点、向き、面の異常を確認します。印刷する場合はprinter profileを選び、別途G-codeを生成します。

menu名はPrusaSlicerのversionやmodeで多少異なる場合があります。単体exportとplate全体exportを取り違えないことが重要です。

変換後は、寸法・向き・色・object構造を照合する

STLが開ければ変換完了、ではありません。3MFが持つunitとobject関係を、STLを読むsoftware側が同じ意味で再現するとは限りません。元3MFと変換後STLを同じslicerへ並べ、数値と見た目を確認します。

3MF→STL変換後の確認
確認見る値異常時
寸法X・Y・Zの最大寸法mm/inch等のunit解釈を確認して再export
向きと原点bed上の向き、上下、原点位置rotation/placementを戻してexport
object/shell個数、partsの分離、重なり単体exportか全plateかを選び直す
mesh穴、反転面、欠落triangle、非多様体source modelまたは修復機能へ戻る
色・材料割当が必要かSTL一つで代用せず3MFまたはparts別STLを使う
printer設定nozzle、filament、layer、supportSTLには期待せずslicerで設定し直す
変換で戻りにくい情報
3MF側の情報STL側の扱い残し方
unit受け側の解釈に依存元寸法を記録し、再importで照合
object name/build itemmeshへflattenされる場合がある3MF原本とobject一覧を保存
color/material/texture標準STLへ同じ構造で移らない3MFを正本にし、必要ならpartsを分ける
slicer profile/modifierSTLにはproject状態を保持しない作成元slicerの3MF projectを残す
metadata/licenseSTLのtriangle dataだけでは不足配布元ページとlicense文書を別途保持

STLへ変換しても、まだG-codeではない

STLは3D printerのmotion commandではありません。PrusaSlicer等へSTLを読み込み、対象printer、nozzle、filament、layer、support等を決めてsliceし、G-code/BG-codeを別に生成します。3MFから直接sliceできるなら、STLを挟まない方がproject情報を保ちやすい場合があります。

3MF・STL・G-codeの役割
形式主な内容次の操作
3MFmodel、unit、object、色・material、project情報等対応slicerで開き、必要なら調整
STLsurface triangle meshslicerでprinter条件を設定
G-code/BG-codeprinterが実行するtoolpathと命令対象printerへ送る
ZIPへ改名した3MF3MF packageと同じbytes内部確認用で、印刷・変換にはならない
printer機種が決まっていない段階でG-codeを共有しません。modelの共有は3MFまたはSTL、実際の印刷命令は対象printer用にsliceして作ります。

Karuzipは3MFの内部確認用で、STL変換や3D previewはしない

3MF Core仕様どおり、3MFの物理形式はZIP packageです。Karuzipは.3mfを直接開き、3D/3dmodel.model_rels/.rels[Content_Types].xml、thumbnailやtexture等があれば一覧・テスト・解凍できます。

Karuzipでできること・できないこと
操作対応結果
3MF内部の一覧できるmodel part、relationships、metadata関連part等を確認
ZIP層の書庫テストできるCRCや末尾欠損を検査
model XML等の選択解凍できる内部fileを別folderへ保存
3D modelの描画・回転できないPrusaSlicer等の3D対応appを使う
3MF→STL/G-code変換できないmeshを理解するslicer/3D softwareを使う
mesh修復・scale補正できない元CADまたはslicerの修復機能で判断
XMLを取り出してもSTLにはなりません。vertex、triangle、transform、components、extensions、unitを解釈してmeshを再構成する処理が必要です。

実測:公式3MFは3部品、24頂点、44三角形、5色を持っていた

固定sampleは3MF Consortium公式repositoryのrhombicuboctahedron_color.3mfです。commitとGit blobを固定し、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱engineで一覧・テスト・全体/選択解凍しました。

公式固定3MFの検証結果
検証結果意味
ファイル照合1,643 B、Git blob SHA-1 EF3F6E9F…6779、SHA-256 76E67544…5DCB0公式固定commitのsampleと同一
package一覧zip、3fileContent Types、root relationships、3D Model part
書庫テスト/全体解凍終了コード0、3file固定sampleのZIP層を検査・抽出
選択解凍3fileすべて全体解凍側とSHA-256一致必要partを同じbytesで取得
model unitmillimetercoordinateの解釈を明示
mesh24 vertices、44 triangles一つのcolor objectのsurface
属性5 colors、metadata 3件、object 1、build item 1triangle以外の意味を持つ
boundsX/Y/Zとも0.00500488〜120.716約120.711 mmの外形

同じ44三角形をSTLへ書くと、形状は残っても5色と単位は残らなかった

比較のため、固定3MFのvertex/triangleだけを決定的なbinary STLへ書きました。これはPrusaSlicerの変換結果ではなく、mesh-onlyへ落とす時の情報境界を再現する検証用出力です。

固定3MFとmesh-only STLの実測比較
比較3MF検証用binary STL
サイズ1,643 B2,284 B
triangles4444、一致
bounds0.00500488〜120.716float32誤差内で一致
unitmillimeterunit fieldなし
colors5色をtriangleへ割当color group fieldなし
metadataCreationDate等3件metadata collectionなし
object/buildobject名とbuild itemobject collectionなし
SHA-25676E67544…5DCB0DD341939…1A89
この一sampleでは圧縮された3MFの方が641 B小さくなりました。ただしfile sizeはmesh密度、compression、texture、metadata、ASCII/binary STLで変わるため、常に同じ比率とは一般化しません。

ZIPへの改名は変換ではなく、ZIPテスト成功も3MF成立の証明ではない

固定3MFのcopyを.zipへ改名しても、1,643 BとSHA-256は元3MFと同一で、実体もzip packageでした。内部を見る入口は変わっても、STLのtriangle streamは生成されません。

改名・欠損・必須part欠落の差
copy検査結果判断
.zipへ改名bytes・SHA-256同一、zipとして3fileを一覧3MF→STL変換ではない
末尾128 B欠損一覧・テストとも終了コード2、Unexpected endZIP packageの末尾欠損
3D Model partを除いて再構成2fileを一覧、ZIPテストPASSZIPの格納状態は正常
Model part欠落copy3D/3dmodel.modelなし3MFとして必要な3D payload rootを処理できない
書庫テストはZIP層の検査です。3MF Coreへの適合、required extension、mesh manifold、設計の真正性、安全性、STL変換可否まで証明しません。

オンライン変換へ送る前に、設計データとlicenseを確認する

3MFはmodel geometryだけでなく、metadata、thumbnail、source path、project設定、vendor extensionを含む場合があります。公開前の製品設計、顧客data、購入modelは、オンラインconverterへuploadしてよいかを先に確認します。

変換方法を選ぶ基準
条件推奨理由
社外秘・顧客設計承認済みのlocal slicer/3D software外部uploadを避ける
購入・download modellicenseと再配布条件を確認STL化しても権利条件は消えない
multi-material/複数object3MF原本を正本にする一つのSTLへflattenしない
相手がSTLのみ対応必要objectだけSTL copyを渡す過剰なproject情報を渡さない
変換後に寸法が違う元3MFのunitとboundsへ戻る受け側のmm/inch解釈を修正
3MFが開けない別名copy、配布元再取得、対応extensionを確認改名や再packageで直ったとみなさない

3MFとSTLの違い・変換に関するよくある質問

3MFをSTLへ変換するにはどうすればよいですか?

PrusaSlicerで3MFを開き、一つのmodelなら3D viewで右クリックして[STLとしてエクスポート]、plate全体なら[ファイル]→[エクスポート]からplateをSTL/OBJとして書き出します。原本3MFは残します。

3MFとSTLはどちらを残すべきですか?

作業用の正本は3MFを残すのが安全です。STLはSTLだけ対応する相手へsurface meshを渡す互換copyとして作ります。色、object、unit、project設定を後で直す可能性があるなら3MFを削除しません。

3MFからSTLへ変換すると色や材料は消えますか?

標準的なmesh-only STLには、3MFのcolor group、material、texture、project設定を同じ構造で移せません。multi-material用途は3MFを残すか、必要に応じてpartsを別々のSTLへ分けます。

3MFからSTLへ変換するとサイズが変わりますか?

geometry値が同じでも、STLには標準的なunit fieldがないため、受け側がmmやinchをどう解釈するかで見かけの寸法が変わり得ます。変換後STLを開き直し、X・Y・Z寸法を元3MFと照合します。

3MFをSTLへ変換すると画質が落ちますか?

元3MFと同じtrianglesを書き出す限りsurface meshは保てますが、export時の簡略化、修復、modifier適用等で変わる場合があります。triangle欠落、穴、反転面、boundsを確認してください。

3MFをSTLへ変換すればそのまま印刷できますか?

STLはG-codeではありません。STLをslicerへ読み込み、対象printer、nozzle、filament、layer、support等を設定して、G-codeまたはBG-codeを別に生成します。

複数objectの3MFは一つのSTLにできますか?

PrusaSlicerではplate全体を一つのSTLへexportできます。ただし複数shellが一つのobjectとして扱われ得ます。個別に動かす、別materialを割り当てる場合はobjectごとにSTLを分けます。

3MFの拡張子をSTLやZIPへ変えれば変換できますか?

できません。.zipへの改名は3MF内部を見る入口を変えるだけで、bytesとpackage構造は同じです。.stlへ改名してもtriangle dataは生成されません。

Karuzipで3MFをSTLへ変換できますか?

できません。Karuzipは3MF package内のmodel XML、relationships、thumbnail、texture等を一覧・テスト・解凍できますが、3D描画、mesh再構成、STL/G-code変換は行いません。

オンラインの3MF→STL変換を使ってもよいですか?

公開済みでupload許可のあるdataなら選択肢ですが、社外秘、顧客設計、購入modelは規程とlicenseを確認します。3MFにmetadataやproject情報が含まれる可能性もあるため、承認済みlocal softwareを優先します。

Karuzipで確認した条件

確認日
2026-08-01
環境
Windows 11、Karuzip v1.4.0開発版と同じ同梱エンジン(7-Zip 25.01)、Node.js 24
標本
3MF Consortium 3mf-samples commit 665e20d…0337のrhombicuboctahedron_color.3mf(1,643 B、Git blob SHA-1 EF3F6E9F…6779、SHA-256 76E67544…5DCB0、BSD-2-Clause)。同じ44 trianglesのmesh-only binary STL 2,284 B、末尾128 B欠損、Model part欠落、.zip改名copyも生成
確認項目
固定commit取得、Git blob照合、3file一覧・書庫テスト・全体/選択解凍・SHA-256照合、unit、24 vertices、44 triangles、5 colors、metadata 3件、object/build、bounds、mesh-only STLのtriangle/bounds一致と非保持field、改名、末尾欠損、Model part欠落時のZIPテストを確認

正常3MFのZIP層はPASS。mesh-only STLは同じ44 trianglesとfloat32誤差内のboundsを持つが、unit、5 colors、metadata、object名、build構造を持たない。末尾欠損はUnexpected end。Model part欠落copyはZIPテストPASSのため、書庫層の正常と3MF成立を分離した。PrusaSlicerのUI変換は実行せず、公式手順と検証用deterministic STLを根拠として分けた。

根拠と更新方針

Windowsの操作、ZIP形式の仕様、Karuzipの機能を混同しないよう、判断ごとに根拠を分けています。

  • 3MF Core Specification 1.4.0 | 3MF Consortium github.com 3MFのZIP/OPC package、3D Model part、unit、resources、build、metadata、thumbnail、extensionsの正式要件。
  • 3MF feature comparison datasheet | 3MF Consortium 3mf.io 3MFとSTL等のunit、full color、compact representation、additive manufacturing workflowの比較。
  • プロジェクトを3MFで保存 | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com PrusaSlicerの3MF projectがobject、設定、modifier、color、texture等を保存し、STLはsurface trianglesを保存する説明。
  • 書き出す | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com 単体modelを右クリックしてSTLへexportする方法と、plate全体を一つのSTL/OBJへexportする方法。
  • オブジェクト/パーツに分割 | Prusa Knowledge Base help.prusa3d.com STLは複数shellを一objectとして読み、3MFは複数objectをnativeに区別できること。
  • rhombicuboctahedron_color.3mf | 3MF Consortium github.com 固定fixtureのcommit、path、Git blob、24 vertices、44 triangles、5 colors、unit、metadata。
  • 3MF Samples License github.com 固定fixture repositoryのBSD-2-Clause license。
  • 7-Zip 25.01 Release | ip7z github.com Karuzip v1.4.0開発版で同梱している検証engineの公開versionと配布元。

3MFを外部へ送らず、変換前に内部partを確認

KaruzipはWindows 10 / 11向けの無料解凍・圧縮ソフトです。3MF packageを直接一覧し、書庫テスト、全体または選択解凍ができます。3D modelの描画・修復・STL変換は行わず、広告やバンドルもありません。

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