「Windows 11 なら解凍ソフトはもういらない」——そう聞いたことがある方は多いと思います。実際、Windows 11 の標準機能はここ数年で大きく進化し、以前は専用ソフトが必須だった RAR や 7z の展開にも対応しました。一方で、パスワード付き ZIP の作成など、いまだにできないことも残っています。
この記事では、Windows 11 標準の圧縮・解凍機能で「できること」と「できないこと」を、出典付きで中立に整理します。先に結論を言えば、標準機能で足りる方は、追加のソフトを入れる必要はありません。足りない場面がある方だけ、解凍ソフトを検討すれば十分です。
標準機能で足りるかを用途ごとに判断する
通常のZIPを受け取り、全体を解凍するだけなら、まずWindows標準の「すべて展開」を試せます。24H2のRAR・7z・TAR対応と暗号化の制限はMicrosoftの公式説明で確認できます。OSの版を確かめず、Windows 11なら何でも同じ操作と考えないでください。
パスワード、分割巻、日本語ファイル名の文字コード変更、必要項目の選択などで標準機能が用途に合わない場合に、対応アプリを選びます。.7z.001の操作やパスワード付きZIPの作成へ進んで、必要な機能だけ確認できます。
Windows 11 の標準機能はどこまで進化したか
Windows 11 のエクスプローラーは、もともと ZIP の展開と作成に対応していました。そこに大きな転機が 2 回ありました。
- 2023 年秋の更新: オープンソースのライブラリ libarchive を組み込み、.rar・.7z・.tar 系(.tar.gz など)の「展開」に標準対応しました(出典: 窓の杜、PC Watch)。
- バージョン 24H2: 右クリックメニューの「圧縮先」から、ZIP に加えて 7z・TAR 形式の「作成」ができるようになりました(出典: Acer サポート)。
つまり現在の Windows 11 は、「受け取った書庫を開く」用途であれば主要形式のほとんどを追加ソフトなしでカバーします。「とりあえず全員に解凍ソフトが必要」という時代は終わりました。
できること・できないこと早見表
| 操作 | Windows 11 標準 | 備考 |
|---|---|---|
| ZIP の展開・作成 | ○ | 右クリック→「すべて展開」/「圧縮先」 |
| RAR・7z・tar の展開 | ○ | 2023 年秋の更新以降 |
| 7z・TAR の作成 | ○ | 24H2 以降。RAR の作成は不可 |
| 暗号化 RAR・7z の解凍 | × | 対応ソフトが必要 |
| パスワード付き ZIP の作成 | × | 暗号化書庫を作成する対応アプリが必要 |
選ぶ前に確認する 4 つの条件
1. 暗号化された書庫は対応アプリで開く
Microsoft の現行案内では、Windows 11 24H2 の標準機能は暗号化された書庫の操作をサポートしません。パスワード付き ZIP・RAR・7z を扱う場合は、その形式と暗号方式に対応したアプリを使います。
出典はMicrosoft の圧縮・展開サポート(2026年9月12日確認)です。正しいパスワードでも開けない場合は、書庫の破損を決めつける前に対応方式を確認します。RAR の解凍方法、パスワード付き ZIP と 7z の違いも参照してください。
2. パスワード付き ZIP を作成できない
Windows 11 の標準機能では、パスワード付き ZIP を作成できません。フォルダーのプロパティにある Windows の暗号化設定は、他の PC へ渡せる ZIP のパスワードを作る機能とは異なります。取引先へのファイル送付などでパスワード付き ZIP が必要な場合は、対応ソフトが必須です。具体的な手順はWindows 11 でパスワード付き ZIP を作る方法にまとめました。
3. 大きなファイルの処理が遅いという報告
エクスプローラーでの 7z 作成が極端に遅い、大きな書庫の処理に時間がかかる、といった報告が Microsoft Q&A などに寄せられています。標準機能の圧縮処理は CPU を十分に活用しないという指摘もあり、大きなファイルを日常的に扱う方にはストレスになる場合があります。当サイトの実測でも、Karuzip v1.0.3 での初回計測(2026年7月3日)では、1,000 ファイル(371MB)の ZIP 圧縮はエクスプローラー相当 9.17 秒・PowerShell 27.11 秒に対し、専用ソフトのエンジンは 2.27 秒でした。v1.3.0 での再計測(2026年7月29日・n=5)では、それぞれ 5.87 秒・15.23 秒・1.29 秒でした(テストデータを作り直したため、初回の値とは直接比べられません。実測ベンチマークの詳細。標準側が速い項目も正直に載せています)。
4. 設定項目を実際の用途で比較する
暗号化、分割巻、日本語ファイル名の読み取り設定、JSON を返す CLI など、自分が必要な項目で Karuzip と比較してください。
補足: 標準機能で ZIP を解凍した際にファイル名が文字化けするトラブルは、暗号化とは別の原因(文字コードの違い)で発生します。詳しくはZIP 解凍で文字化けする原因と直し方をご覧ください。
結論 — 解凍ソフトが「不要な人」と「必要な人」
標準機能のままで大丈夫な方
- 受け取った ZIP を開くのがほとんど
- パスワード付きのファイルはめったに扱わない
- RAR や 7z も「開ければ十分」
このような使い方なら、追加のソフトを無理に入れる必要はありません。
解凍ソフトを検討したい方
- パスワード付き ZIP を作成・送付する必要がある
- AES 暗号化 ZIP や暗号化 RAR・7z を受け取ることがある
- 大きな書庫を頻繁に扱い、速度や細かい設定が欲しい
- Mac から届く ZIP の文字化けに悩んでいる
ひとつでも当てはまるなら、標準機能の不足を埋めるソフトを 1 本入れておくと快適になります。いま手元の ZIP が開けなくて困っている場合は、先に「ZIP が解凍できないときの原因別対処」で症状を切り分けると早く解決できます。
どの解凍ソフトを入れるか決めかねている方は、「主要な解凍ソフトを実測で比べた比較記事」で速度・圧縮率・対応形式を横並びに確認できます。
選択肢のひとつとしての Karuzip
手前味噌ですが、当サイトで配布している Karuzip は、この「標準機能で足りない部分」を埋めるために開発したソフトです。Karuzip(かるジップ)とは、ZIP・7z・RAR など 320 拡張子の解凍に対応した、Windows 用の無料解凍・圧縮ソフトです(うち 230 は標本・テストで動作確認、主要 12 形式は実機で検証)。広告やバンドルはなく、アプリが個人情報を収集することもありません。
- 完全無料。広告・バンドルソフト・テレメトリ(利用状況の送信)は一切ありません
- 実績ある 7-Zip エンジンを内蔵(LGPL ライセンスに基づき About 画面で帰属を表示)
- AES 暗号化 ZIP をはじめ、暗号化された書庫の解凍に対応
- パスワード付き ZIP・7z の作成に対応(7z はファイル名ごと暗号化可能)
- UTF-8 の ZIP(Mac 由来など)に対応
- RAR は解凍のみ対応(ライセンス上、作成はできません)
- インストーラ 12.60MB の軽量設計、Windows 10/11 対応、自動更新機能内蔵
正直にお伝えすると、現時点でインストーラにコード署名を行っていないため、実行時に SmartScreen の警告が表示される場合があります(「詳細情報」→「実行」で続行できます)。正規の配布元は karuzip.com・GitHub(AAAAAnson/karuzip)・Microsoft Store のみで、インストーラの SHA-256 ハッシュを公開しています。詳しくはKaruzip の安全性についてをご覧ください。
Karuzip は Windows 10 / 11 専用です。ダウンロードは Windows PC でこのページを開いてください。
よくある質問
Windows 11 の標準機能だけで ZIP ファイルを解凍できますか?
- Windows 11 の標準機能だけで ZIP ファイルを解凍できますか?
はい。通常の ZIP ファイルであれば、エクスプローラーで右クリック→「すべて展開」を選ぶだけで解凍できます。追加のソフトは必要ありません。
パスワード付き ZIP は Windows 11 標準で解凍できますか?
- パスワード付き ZIP は Windows 11 標準で解凍できますか?
Microsoft は Windows 11 24H2 の標準機能では暗号化書庫の操作をサポートしないと案内しています。パスワード付き ZIP は対応する解凍アプリで開くことを前提にしてください。
Windows 11 標準でパスワード付き ZIP を作成できますか?
- Windows 11 標準でパスワード付き ZIP を作成できますか?
いいえ。Windows 11 24H2 の標準機能では暗号化書庫を作成できません。Karuzip などの対応アプリを使い、受け取る側でも開けることを確認してください。
RAR ファイルは Windows 11 で開けますか?
- RAR ファイルは Windows 11 で開けますか?
2023 年秋の更新以降、RAR ファイルの展開(解凍)はエクスプローラーで標準対応しています。ただし RAR ファイルの作成と、パスワードで暗号化された RAR の解凍はできません。
結局、解凍ソフトは必要ですか?
- 結局、解凍ソフトは必要ですか?
暗号化されていない通常の ZIP を開くだけなら、まず標準機能で足りるか確認できます。暗号化、分割、日本語ファイル名の文字コード指定、CLI による反復処理が必要な場合は、それぞれに対応したアプリを選びます。
参照資料
この記事の判断は、次の資料と突き合わせて確認しています。
- Microsoft サポート「ファイルを圧縮および展開する」 — Windows 11 の標準機能で扱える形式と、暗号化された書庫の制限(2026年9月23日確認)
- 窓の杜「TAR、RAR、7z……『エクスプローラー』で解凍できる形式が拡充、正式に提供開始」 — 2023 年 9 月から Explorer が RAR / 7z / TAR の展開に対応したと報じた記事(2026年9月23日確認)
- PC Watch「rar/7z の展開対応やエクスプローラーの機能拡張など、Windows 11月度更新」 — 同じ更新を報じた記事(2026年9月23日確認)
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Windows の機能、GUI、CLI を用途で選ぶ
受け取った暗号化されていない ZIP を 1 つ開くだけなら、まず Windows 標準機能で足りるか確認できます。古い ZIP のファイル名、暗号化、分割、選択解凍、反復処理が必要なら、その条件に対応するツールを選びます。Karuzip の公式サイト版は Windows 10/11 用で CLI を同梱し、Store 版は Windows 11 用で CLI を含みません。パスワード付き ZIP の作成は 2.2.7 から AES-256(ファイル名は暗号化しない)、7z は AES-256 とファイル名の暗号化、RAR は解凍専用です。